「エネデュース・マリーン」は、自動車のエンジン内部の修復に実績のあるメタライザーのテクノロジーを漁船用ディーゼルエンジンに応用しました。
配合された金属表面修復材(MRC触媒)の働きで、エンジン内部の摩耗や傷を補修し、経年劣化によるエンジンの性能低下を回復させます。
概要
製品概要
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ディーゼルエンジンは経年劣化により、エンジンのシリンダー壁にキズや摩耗ができると、振動や騒音が増大し、ピストンの気密性が低下して圧縮漏洩を起こします。燃料の燃焼状態が悪くなって、パワーダウン、燃費の増大、排出ガスレベルの低下などの影響が現れます。
エネデュース・マリーンは、金属表面修復剤(MRC)を配合した小型船舶用ディーゼルエンジンの補修剤です。 |
効果
- 配合された金属表面修復剤の働きで、エンジン内部のキズや摩耗を修復し、経年劣化によるエンジンのパワーダウンを回復させます。
- 黒煙や粒子状物質の排出を削減し、環境性能を向上させます。
- エンジン内部のフリクションロス(摩耗抵抗)を減らし、騒音・振動を軽減させ、燃費も改善します。
内視鏡によるシリンダー内面の観察結果
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シリンダー内面に縦キズがつき、圧縮率もかなり低下しています。 |
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金属面の修復効果で、シリンダー内面のキズが消えクロスハッチも復活しました。 |
エンジン内が摩耗すると
シリンダー圧縮値の低下
シリンダー壁に摩耗やキズができると、ピストンリングによる気密性が低下して圧縮漏洩を起こします。シリンダーの圧縮値が低下して、各シリンダーの圧縮値にバラツキが起こり、燃料の燃焼状態が悪くなって、パワーダウン、燃費の増大、排出ガスレベルの低下などの影響が現れます。 |
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エンジン内の摩耗が進むと
シリンダー壁、ピストンリング、クランク、カムシャフトの金属摩耗が進むと、エンジン本来の性能が低下します。
- 効率的な燃焼が出来ず、燃料消費が増大
- エンジンの馬力やトルクの低下
- エンジンの振動が大きくなり、騒音が増える
- 不完全燃焼による一酸化炭素や黒煙の発生で、排出ガスレベルが低下し、環境基準への悪影響がでる
- オイルが劣化し、オイル消費量も増える
- エンジンの寿命が縮まり、部品交換やメンテナンスの費用も多くなる
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鉄で鉄を補修する
金属面の摩耗を補修する新技術を開発
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機械内部の金属面が摩耗すると、エネルギーロスや騒音、振動の増加等を招いて初期性能が発揮できなくなります。
歯車やベアリング等、機会内部に使用されている鉄系合金は、摩耗すると鉄イオンが潤滑油中に溶け出しますが、この溶け出した鉄イオンを金属表面に再結晶化させることが可能になれば、機会は「摩耗と復元」という循環プロセスを得て、半永久的に摩耗を防止でき、寿命を大幅に延長することができます。
天然鉱石中に金属表面の再生を可能にする珪酸マグネシウム組成の物質が発見されました。
この物質の研究を進め、化学合成によって新しい触媒物質の開発に成功し、この触媒物質を使用した金属表面補修術を実用化しました。 |
鉄イオンの再結晶化で、金属面を修復する
この修復触媒(MRC)によって潤滑油中の鉄イオンを鉄系合金の金属表面に再結晶化させ、金属面の凸凹や摩耗を修復します。
摩擦摺動面の表面を再生して滑らかにすることで、劣化した機械部品を修復し、性能の向上、寿命の延長、騒音の低下、省エネルギーを図ります。
修復された部分は、元の金属素材と同じ素材(鉄系金属)ですから、組成上の安定性が高く、潤滑油を交換してもその効果が長期間持続します。
修復プロセス
機械内部の摺動面は、潤滑油の働きで互いが接触から守られていますが、潤滑油が古くなったり、無理な力が加わると、金属面同士が接触して金属表面にキズや摩耗が発生します。
①ガラス・コーティング
潤滑油中に修復触媒を混ぜておくことで、傷ついた金属表面に修復触媒がガラス状の膜を作ります。
②鉄イオンの吸収
この膜が摩耗によって潤滑油中に溶け込んでいる鉄イオンを吸収します。
③鉄イオンの再結晶化
金属面同士の接触熱と圧力を利用し、触媒膜中に取り込まれた鉄イオンを再結晶化させ、金属鉄に戻して傷ついた元の金属面を補修します。
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金属面の電子顕微鏡写真
協力:早稲田大学 理工学総合研究センター
排気ガスの清浄化検証
漁船に多く採用されている直噴式ディーゼルエンジンは、経年劣化が進むと、性能低下に加え、黒煙やPM(粒子状物質)の排出も増加する。MRC(金属表面修復剤)は劣化したエンジン内部を補修する効果があり、排出ガスの発生を抑えることが期待できる。定量的なデーターが得られやすい自動車を使用し排気ガス試験を行い、金属表面修復剤によるディーゼルエンジンの環境性能の向上効果を検証した。
- エンジンオイル中にMRC(修復触媒)を0.04g/Lの割合で添加し、1時間アイドリングを行ってエンジン内部の補修処理を実施。
- 補修処理前と処理後2000キロ走行時の排気ガスデータを比較する。
試験車両
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試験車両 |
車名:日産キャラバン
型式:KG-CWGE24
初年度登録:平成11年2月 |
原動機形式:QD32
燃焼室形式:直接噴射式
既走行距離:73,930km |
試験内容 |
オイルに金属表面修復剤を添加し、エンジン内面の平滑化処理を行った。2,000キロ走行後に排気ガス試験を実施。 |
試験場所 |
東京都環境科学研究所 |
試験期日 平成14年2月 |
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試験結果(抜粋)
(5年規制値)ディーゼル中量率(車両総重量1.7トン超~2.5トン以下) |
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CO
(g/km) |
HC
(g/km) |
NOx
(g/km) |
CO2
(g/km) |
PM
(g/km) |
排気濃度
(%) |
規制値 |
2.70 |
0.62 |
1.82 |
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0.43 |
40 |
処理前 |
1.22 |
0.44 |
1.05 |
321 |
0.20 |
32 |
処理後 |
1.27 |
0.45 |
1.06 |
310 |
0.14 |
23 |
黒煙は28%削減
全負荷時の黒煙排出は、燃油の不完全燃焼によるものであり、排出の具合がエンジン劣化の目安になる。
MRCの処理により、黒煙の排出量が28%減少しており、エンジン性能の回復が期待できる。
PM(粒子状物質)は30%削減
黒煙減少に連動し、PM(粒子状物質)の排出も30%削減されている。
燃費改善とCO2排出量の減少
エンジン性能の回復により、10・15モードで8%の燃費改善と3.4%のCO2削減効果を得た。
省燃油試験
漁船の省燃油試験を実施
青森県の川内町漁協の強力を得て、エネデュース・マリーンを使用して、漁船用ディーゼルエンジンの省燃油試験を行った。(川内町漁協は青森湾内でのホタテ貝の養殖を行う)
- エンジン性能の回復効果で、エンジンの回転数が今まで示したことのない数値まで上がる。
- エンジンの回転が滑らかになり、騒音・振動の軽減のほか、給油の間隔が長くなっているということで、燃費も明らかに良くなっている。(12~18%程度)
- エンジン始動直後の黒煙が減少した。(三菱製エンジン)
等の評価が得られている。
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処理月日
(2008年) |
漁船名・船長名 |
エンジンの大きさ |
燃料 |
オイル量 |
注入量 |
使用年数 |
所属漁協 |
備考 |
7月25日 |
海幸丸・工藤峰男 |
ヤンマー430馬力 |
軽油 |
40L |
90ml×2本 |
10年 |
川内町漁協 |
オイル漏れが止まる |
7月25日 |
栄進丸・今進 |
ヤマハ300馬力 |
軽油 |
20L以上 |
90ml×1本 |
14年 |
川内町漁協 |
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7月26日 |
金光丸・金浜徹 |
三菱380馬力 |
軽油 |
40L |
90ml×2本 |
13年 |
川内町漁協 |
始動直後の黒煙減少 |
7月26日 |
松栄丸・笹井明志 |
三菱420馬力 |
軽油 |
40L |
90ml×2本 |
6年 |
川内町漁協 |
始動直後の黒煙減少 |
9月02日 |
ことぶき丸・浜田知彦 |
ヤンマー400馬力 |
軽油 |
40L |
90ml×2本 |
12年 |
川内町漁協 |
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9月04日 |
宝仁丸・浜田修司 |
ヤマハ280馬力 |
軽油 |
20L |
90ml×1本 |
20年 |
川内町漁協 |
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9月05日 |
栄進丸・松野忠 |
ダイヤ450馬力 |
軽油 |
40L |
90ml×2本 |
7年 |
川内町漁協 |
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9月05日 |
幸福丸・工藤辰男 |
ヤマハ380馬力 |
軽油 |
20L |
90ml×1本 |
11年 |
川内町漁協 |
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海幸丸 |
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マリン・ディーゼルエンジン(ヤンマー製) |
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ご協力いただいた船長 |
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製品仕様
成分処方
パラフィン系精製鉱油に、超微粒化技術により、50~80ナノサイズに細粒化させた化学合成のMRC触媒を配合しています。
機器の潤滑油に混ぜた時の拡散にも優れ、粒子の沈殿も抑えられています。
加水分解が少なく、耐水性に優れたベースオイルを採用しましたので、潤滑油中に水分混入が予想される環境でも使用できます。
成分構成(Wt%)
パラフィン系精製鉱油 |
77.21% |
ベースオイル |
ポリオールエステル |
20.42% |
潤滑助剤 |
珪酸マグネシウム触媒 |
2.01% |
金属表面修復剤 |
αアルミナ |
0.30% |
超微粒子研磨剤 |
酸化第二鉄 |
0.06% |
ミネラル系着色剤 |
製品用途
各種産業用機械の性能回復用
産業用ディーゼルエンジン、発電機、建築用重機(クレーン車、パワーショベル、ブルドーザー等)のエンジン、マリーンディーゼルエンジン、空気圧縮機、ギア装置、油圧機器等
本剤を潤滑油中に適量添加することにより、エンジンやミッション、油圧機器内部の摺動面にガラス質のMRC触媒膜を作り、金属面の新たな傷や摩耗の発生を防止します。
また、摩耗によってオイル中に溶け込んでいる鉄イオンを再結晶化させて、摺動面の傷や摩耗を補修し、機器の性能を回復させます。
【注意】エアコン用コンプレッサーには使用できません。
乗用車やトラック、バス等には高回転特性に優れたエネデュースPRO-X(ET-739)の使用をお薦めします。
効果
- エンジンのシリンダー内面の傷や摩耗を補修することで、低下していた圧縮値が回復し、始動性の向上や黒煙の防止、パワーアップ効果が得られます。
- エンジンやコンプレッサー内部のクリアランスの適正化により、振動軽減と静音化の効果が得られます。
- フリクションロスの低減により、回転がスムーズになり、燃費や電力の削減効果が得られます。
- 空気圧縮機やギアトレインや油圧機器等のノイズ削減、性能回復にも効果を発揮します。
使用方法
①容器を振って薬剤をよく撹拌させてください。
②機器のオイル注入口から、本剤を適量注入し、使用中の潤滑油に混合してください。
③注入後60~90分の無負荷運転を行ってください。
交換直後の新しい潤滑油に配合すると、効果の発揮が遅くなる場合があります。
④エンジンや機器の使用時間や劣化の状況に応じて、薬剤の配合率を増減させてください。 |
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製品仕様
製品名 |
エネデュース プロ・ディーゼル(マリーン) |
内容量 |
NET 100ml |
品 番 |
ET-741 |
成 分 |
パラフィン系精製鉱油、ポリオールエステル、金属表面修復触媒、αアルミナ、着色剤 |
容 器 |
PPボトル |
寸 法 |
直径48mm×高さ97mm |
第四種第4石油類 危険等級III【火気注意】
推奨配合量
油 種 |
本剤100mlに
対するオイル量 |
配合率 |
エンジンオイル |
20L |
0.50% |
コンプレッサーオイル |
20L |
0.50% |
ギアオイル、ミッションオイル |
10L |
1.00% |
油圧作動油 |
100L |
0.10% |
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